SW『スカイウォーカーの夜明け』

皆さんは、もうスターウォーズの「スカイウォーカーの夜明け」は観たでしょうか?

僕は、公開から1週間遅れの27日に、映画館で観ました。

今までの僕だったら、間違いなく公開初日に出かけていったのですが、今回は、少々足が重かったわけです。その理由は、ライアン・ジョンソンが監督した前作「最後のジェダイ」の、あまりの出来の悪さに、相当落胆したからです。これは、スターウォーズシリーズの作品じゃないって、正直思いました。

 今回の「スカイウォーカーの夜明け」の評判も、絶賛する意見が少なくて、すぐ観に行こうという気になれなかったんです。

 でも、まあどっちみち観ないまま終わるわけにもいかないし、って感じで、1週間遅れて出かけたというわけです。

 ところが、今回の「スカイウォーカーの夜明け」、いやいや見事に僕の不安を払拭してくれました。っていうか、これは久々の大傑作じゃないですか。エピソード4で始まった続シリーズを、実に感動的に終わらせてくれました。さすがエイブラムス監督ですね。

 エピソード9を見終わって、気づいたのは、この続三部作(シークエル・トリロジー)は、表向きはレイが主人公の物語ですが、じつはこれはカイロ・レンの物語でもあるということでした。

廃品回収をして暮らす孤児のレイが、フィンに出会ってから、ジェダイの力に気づいて、騎士として成長していく過程を描いてますが、それと並行して、レイアとソロの息子であるカイロが、悪のパワーに惹かれ、父親を殺してしまうものの、最後にレイの力を借りて救済される話でもあるわけです。今回は、とりわけカイロの救済に力点が置かれていたような気がします。

 ルークも去り、レイアもいなくなり、最後にはカイロも消えてしまい、スカイウォーカー家の血筋が途絶えたのに、どうして「スカイウォーカーの夜明け」なのかなあと不思議に思っていたら、いやいや見事なエンディングでしたね。

 皇帝を倒したレイが、最後に、惑星タトゥイーンにやってくる。ここは、スターウォーズの第1作で、若き日のルークが暮らしていた場所です。たまたま通りがかりの老婆から、名前を尋ねられ「レイ」と答える。すると老婆が「ファミリーネームは?」と重ねて尋ねてくる。返答を迷って、遠くを見たレイの視界に、レイアとルークの幻影が見える。そして、意を決したように、彼女は「スカイウォーカー」と答える。

 このエンディングに、つい目頭が熱くなってしまいました。自らスカイウォーカーを名乗って、宇宙をリードしていこうというレイの強い意思が、しみじみと伝わってくる結末でした。

 エイブラムス監督、見事に9部作を終わらせたと、この瞬間に思いました。いやあ、素晴らしいエンディングでした。

 

 エピソード4が、日本で初めて上映されたのが1978年、僕が24歳の時でした。当時、東京の編集プロダクションで超多忙な生活を送っていました。どこの映画館で観たのかは記憶にありませんが、反乱軍のXウィングがデススターを攻撃する場面を観て、心を熱くしたのを、つい昨日のことのように覚えています。あれから、40年あまり、とうとうスカイウォーカー家の物語が終わってしまったのかと、しみじみとした感慨に浸っているところです。