「プリズナーズ」のこと

またまた話は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「プリズナーズ」に戻ります。

この映画、実は日本国内で映画館公開されてません。

あくまでレンタルビデオのみの公開(発売)で終わっているわけです。

こんな傑作が、映画館公開されなかったなんて正直納得できません。

どんな理由があったんだろうかなあと、自分なりに考えているんですが、

もしかするとテーマが幼児の連れ去りという暗い話だったからかかもしれません。

でも、僕が考えるに、ヒュー・ジャックマンのイメージが壊れるのを恐れた

配給会社の判断だったのじゃないでしょうか?

ヒュー・ジャックマンは、Xmenのウルバリン役で、

どちらかというと正義の味方というイメージが、日本国内では定着しました。

「プリズナーズ」のヒュー・ジャックマンは、

娘を連れ去られた父親役をやっています。

そして彼は、同じ町に住む知的障害の青年を犯人だと思い込み、

その青年を空き家に連れ込んで、熱湯をかけて、

娘の居場所を自白させようとします。

その演技が、これまた実に迫真に迫っていて、

彼は狂気に取り憑かれた父親になりきっています。

その狂った恐ろしさたるや、ウルバリンの正義の闘士とは真逆です。

これじゃ、彼の善人のイメージが崩壊しちゃいます。

とまあ、そんな理由もあったんじゃないかと勝手に想像してるわけです。

それにしても、「プリズナーズ」隠れた傑作ですので、皆さん観て下さいね。